Exhibition Vol625 [Day by day]
夫婦
93歳と89歳になる、妻の両親と同居する事になった。先月末に引っ越したのだが、前日に義父が肺炎で入院、その二週間後に他界した。本が好きで、頑固一徹、しかし、その立ち振る舞いはいつもユーモアにあふれていた。
遺影の写真を選ぶのには苦労した。私が撮影したどの写真も、戯けていて、若い頃、役者志望だった義父らしいのだが、遺影として祭壇におくのはどうだろうかと思案した。そんな時、アルバムの中から、窓際のこの場所で頬杖をつき、なかなか良いポーズとった写真を義弟が見つけた。テーブルの下には白いレフ板が置いてあるので、私が撮影した事は間違えないのだが・・・ネガが見つからない。
アルバムの中は夫婦の思い出でいっぱいだった。庭のこの場所で撮影された写真も多く出てきた。ここ数年は手入れができず、荒れてしまっているが、朝の美しい光の中で、この白いテーブルで仲良く朝食をとっている姿が写っている。結局、ネガは発見できなかったが、スキャニングしてレタッチ、なんとか義母に納得してもらえる遺影が仕上がった。
朝食後、必ず義母は遺影に向かって、なにか呟き、庭に出て、隅々を歩き、見渡し、そしてまたなにか呟く。
93歳と89歳になる、妻の両親と同居する事になった。先月末に引っ越したのだが、前日に義父が肺炎で入院、その二週間後に他界した。本が好きで、頑固一徹、しかし、その立ち振る舞いはいつもユーモアにあふれていた。
遺影の写真を選ぶのには苦労した。私が撮影したどの写真も、戯けていて、若い頃、役者志望だった義父らしいのだが、遺影として祭壇におくのはどうだろうかと思案した。そんな時、アルバムの中から、窓際のこの場所で頬杖をつき、なかなか良いポーズとった写真を義弟が見つけた。テーブルの下には白いレフ板が置いてあるので、私が撮影した事は間違えないのだが・・・ネガが見つからない。
アルバムの中は夫婦の思い出でいっぱいだった。庭のこの場所で撮影された写真も多く出てきた。ここ数年は手入れができず、荒れてしまっているが、朝の美しい光の中で、この白いテーブルで仲良く朝食をとっている姿が写っている。結局、ネガは発見できなかったが、スキャニングしてレタッチ、なんとか義母に納得してもらえる遺影が仕上がった。
朝食後、必ず義母は遺影に向かって、なにか呟き、庭に出て、隅々を歩き、見渡し、そしてまたなにか呟く。
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