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Exhibition Vol559 [cooking]

食の風景

「おまめさん」

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滋賀県朽木村。小浜から京へ向かう鯖街道の宿場町、十数年前初めて訪れた時、ちょうど鯖まつりが開催せれていた。大鍋で炊かれた船場汁が振舞われ、大根と人参、塩鯖だけのシンプルな汁だが、その旨味の深さに感動した。大坂の船場が発祥の地と思っていたが、鯖街道沿いの食文化が、山間部から奉公に出された「おなごしさん」達によって伝えられたそうだ。
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朽木村かがみ屋でたべた鯖寿司の力強さが忘れられない。ご主人の説だと食べごろが大切なようで、作りたてではなく、少し熟成し、酢飯と一体なるのが美味いそうだ。好みもあるが、都会で売られている食品の賞味期限では計れない尺度だ。そもそもなれ寿司が基本だから乳酸発酵による旨味を熟知しているのだろう。
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とても良い寒鯖が手に入ったので、〆鯖に挑戦した。玉姫酢はアタリがやわらかくとても優しいお酢、一気に〆るのではなく、ゆっくりと・・・、錦で買った有次の骨抜きは驚くほど気持ち良く骨が抜ける。塩でしめて酢洗い、酢たれに浸し一杯やりながら待つ・・・、私は少し〆過ぎたぐらいが好きなのだが・・・、
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良い付け合せを思いついた。去年の暮れに旅した八戸で手に入れた干し菊(菊のり)、菊の花を食用にした人は凄いと思う、干す事によって栄養素が増えるらしい。菊の香りは生の方が上のようだが、三杯酢で和えたので本来の味が薄くなってしまったようだ。
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先週、妻が古守宿で譲ってもらったベロ藍の器に盛りつける。濃い目の独特の青色が〆鯖を引き立てる、付け合わせの菊の色も補色効果なのか上手く落ち着いた。料理の楽しみ方はいろいろあると思うが、自画自賛が基本。試食・・・美味い!かがみ屋のご主人に村の歴史や鯖の仕込み方をしつこく聞いたら、あんたは「おまめさん」だね、と言われた事を思い出した。

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コメント 3

engrid

何もかもがすばらしい
・・・いちど、〆たサバを焼いて召し上がってみてください
これもまた、よきかなですから
by engrid (2010-02-22 17:32) 

mine

う~ん、こりゃ旨いに違いありません。
by mine (2010-02-22 19:53) 

miyako-net

しめ鯖って鮪より美味しい時がありますよね~
by miyako-net (2010-02-23 22:32) 

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