SSブログ

Exhibition Vol411 [古守宿一作]

Day by dayから。

「Double Booking」

5月27日(日曜日)晴れ

4月、5月のいそがしさは、半端じゃなかった。なれた写真の仕事なら、どんなにいそがしくても御茶の子さいさいなのだが、週一の授業で、学生に教えるための下準備、グループ展に向けての下準備、会社の移転、引っ越し、なれない作業の連続だった。それに、何と!妻との結婚記念日のお祝いため、予約を入れた旅が写真展の展示作業とダブルブッキング・・・・ ドヒャー!である。すいません、御免なさい、申し訳ありません。良いわよ、でもね、私もすごく忙しかったの。そうですね、はい。だから、決行よ!え〜

てな訳で、小守宿一作に到着。風呂へ入り、デッキに出て甲斐駒ケ岳を眺める。

グラスにビールを注ぎ。

プッハー!この風景と、この空気、大変な状況だけど来て良かった。

夕食ですよ!と女将さんの声。気が付くと雲が茜色に染まっていた。


 5月28日(月曜日)晴れ


午前4時、起床。

午前4時45分、最強の朝ご飯と最強の妻を残し、出発。

午前5時、長坂インターから東京へ向かう。


Exhibition Vol381 [古守宿一作]

Day by dayから。

寒さの中で。


木道が白く光る。

近づくと表面に霜が降りている。

美しい模様。

寒さに耐える植物にも霜が。

木道の切れ目に白い花が寒さに耐えている。

温もりの時


寒さに耐えられない私は風呂へ。あ〜っ!幸せ。

そして、今夜は熱燗!体の芯から暖かくなる。

これ、「いられ燗」と言う直火用の徳利、「まっていられない」が語源だそうだ。

宿のご主人が少し遠出をして、春の山菜をつんで来てくれた。嫁菜、フキノトウ、雪ノ下、クレソン、なずな、暖かい日向の香りがする、心も暖かくなった。

今日のとどめは、囲炉裏で猪鍋。

クレソンをさっと!スープで煮て猪肉と一緒に口の中に頬張る、そして熱燗をクイと、あ〜っ、日本人に生まれて感謝。

最後に女将さんが寝床の中に湯たんぽを入れてくれた。久しぶりだ、いや、たぶん三十数年ぶりだろう。ポカポカと懐かしい記憶が頭をめぐり、夢の中へ。


Exhibition Vol380 [古守宿一作]

Day by dayから。

至福の時



初日の夕食のメインは、猪のすき焼き。


しっかりとした脂身、山の木の実の香りがする。甘めの割り下、烏骨鶏の卵にからめて熱々を口に頬張る。幸せの時だ。


ワインは、ご主人が探してくれた、スズラン酒造小城メルロー2003年。フルボディーではないが、時間と共に味の変化が楽しめた。今日の料理にはベストマッチ。
http://www.winery.or.jp/member/suzuran2.html

川エビのかき揚げ、菊芋のきんぴら。


鹿肉の味噌焼き、独特の鹿肉の香りがピリ辛の味噌と絶妙に合っている。付け合わせの小松菜がまた、冬野菜独特甘味で、やられた。


とどめが、ご主人手打ちの蕎を、フキノトウと昆布だしでパスタ仕立てに。少し柔らかめだが、口の中で春の香りが広がった、目を閉じて食べたらイタリアンだ。去年は、ほうとうのパスタ仕立てに驚いたが、今回もやられた。


Exhibition Vol378 [古守宿一作]

Day by dayから。

2月22日 木曜日 快晴 無風。


午前6起床、甲斐駒ケ岳の頂上を朝日が照らす。


空気が凍る感じだ。


畑も霜柱で、白く見える。


畑の風景は少し寂しく見える、春を待つ感じだ。


妻は宿の愛犬ガーちゃんと、朝の散歩。思えば妻は、年明けから、連休ももふくめて、休み無しで頑張っていた。ゆっくりしてください。

最強の朝飯。


薪で焚いた御飯、囲炉裏に掛かるみそ汁。日本の心の風景かも。


今朝のメインは自家製わら納豆と生みたての烏骨鶏の卵。


自家栽培の豆で一週間前に仕込んだ納豆、納豆は冬場の伝統的保存食だったそうだ。香り風味、そして口の中に広がる自然な甘味、感動。しばらくカップ納豆は食えそうも無い。


風味を殺さないように、葱は入れない、少量の和辛しと醤油でいく。納豆道は人それぞれ、奥が深そうだ。


〆は玉子かけ御飯で決まり!と思っていたら、葱味噌のホウ葉焼きでもう一杯食べてしまった。小守宿の朝食は、私的に最強の朝食かも知れない。

PS-昨日の記事の曜日が間違えていました。休暇をとって頭もズレタらしいです。w


Exhibition Vol329 [古守宿一作]

Day by dayから。

「家族の風景」

12月27日 水曜日 晴

午前11時

この季節としては異常に暖かい日だ。ぽかぽかと、日だまりが気持ち良い。

今回の一番の目的は餅つき。幼い頃、年末になると親戚の家に集まり、大勢で餅つきをした記憶がある。たぶん、幼稚園の頃だから、45年前の記憶だ。

餅米を蒸籠で蒸し、石臼へ。最初は杵の先で全体を馴染ませる。つき始めるが、手水を付けて、臼の底から熱い餅を返すのは、かなりコツがいるようだ。

餅のつき具合の判断は、宿のご主人の、お母様。

特製の木型に入れ、餅を伸ばす。無駄ない動きに、感心する。

午後4時。

私達も参加して、餅つき。杵を持ち、奮闘するが、一臼つく前に腰に来た。妻も手返しのコツを習っていたが、かなり腰に来たらしい。

つきたての餅を、手から絞り出すようにちぎり、餡を、からませる。

王道の餡ころ餅。そして、大根おろし、きな粉、柚子味噌でいただく。

里山の日暮れは早い。甲斐駒の頂上の雲が、一瞬、赤く染まる。

最後の一臼。ご主人が力を振るう。お母様も、朝から一日お疲れさまでした。本当に貴重な体験をさせていただいた。

最後の一臼は、胡桃餅。赤しそのゆかりもたっぷり。


家族を、もう一匹忘れてました。木の臼のなかで、でグルグル回っていた、宿の箱入り娘、ミーちゃん。


Exhibition Vol328 [古守宿一作]

Day by dayから。

「初冬の味」

12月27日 水曜日

朝6時半起床。

車に機材を積込み、冬の風景を探しに出かける。

前日の大雨が、嘘のような天気だ。本当は雪を期待していたのだが、ま、仕方がない。

妻は、宿の愛犬ガーちゃんと散歩。普段なら、まだ熟睡しているのだが、此処へ来ると、妻も私も目覚めが良い。

この宿の、朝の風景で一番気に入っているのが、このシーン。お釜の蓋を開けた瞬間、冬の寒い空気が、御飯の湯気と共に混じり合う。

女将さんが、囲炉裏の鍋から、熱々の呉汁(自家製の大豆を水に浸し、すりつぶした物を味噌汁と混る)を注いでくれた。具は人参、ジャガイモ、大根など、野菜たっぷり。豆の濃厚な旨味は、まるでポタージュスープのようだ。

鯉の煮付け。冬場の、山里の貴重な蛋白源だ。鯉は仕込みにとても時間がかかる。綺麗な流水の中で1、2週間泥はきをさせ、餌を与えず、身を引き締めてから調理する。

もちろん。内蔵(胆のう以外)もそのまま、肝はネットリとコクがある。皮のゼラチン質もたまらない、そして特に鱗が付いている煮付けは、久しぶりだ。時間をかけて丁寧に調理した事が解る。ご主人に伺うと、三日間かかるそうだ、本当に滋味をいただいた。

前日の夕食。

メインはキジ肉の炙り。ご主人特製の塩タレが、淡白な肉の旨味を引き出してくれる。

赤ネギのかき揚げ。シンプルに塩でいただく。ネギの甘味が一番味わえる料理法だと思った。

ご主人手打ちの蕎麦。今日は山芋と赤ネギでいただく。そして漬け物、白菜の南蛮漬け、野沢菜、赤かぶの酢漬け。キジの炙りのあてに最高だ。

赤米を混ぜた御飯、とても香りが強く、少し粘りのある食感がたまらない。自家製コンニャクと大根の焚き合わせ。自家製のゆず味噌で食す。

お進めの地ワイン、作り手の顔を見て仕入れるとの事。とても料理に合っていた。ここに来ると本当に体調が良くなる、特に胃腸の調子が東京にいる時と、格段に違う。環境もあるのかも知れないが、ご主人が、私達の体調を気づかい、そして、この里山の生活の中で生まれた、文化や料理でもてなしてくれる事が、本当に心地よいのかも知れない。


Exhibition Vol326 [古守宿一作]


午前11時、突然、天候が急変。待っていた雪が降り出してきた。東京へ向かう予定だったが、小淵沢へもどり、撮影する事にする。


Exhibition Vol300 [古守宿一作]

Day by dayから。

「霧の風景」


 雨があがり、遠くから霧が迫って来た。


里山が霧に包まれると、遠くに一本の木が浮かび上がってきた。遠くなのに存在感がある。


霧で木が浮かび上がったのは一瞬だった。出会いの風景だ。

Hasselblad 500CM 80mm 160VC

Day by dayから。

「スープ焼そば」

旅に出ると、その土地に根ざした食べ物が気になる。最近、町中はレストランのチェーン店やコンビニばかりで、昔ながらの食堂が消えている。しかし、美味い物は町の人々に愛され、必ず残る。旅に出て、知らない町で、そう言う店を探すのが妻も私も大好きだ。前日は妻が空腹で怒りそうになったので、適当なラーメン屋に入ったが今日は大正解だった。

長坂駅近く、国道32号線、長坂上条のT字路すぐに中華料理「成駒屋」が在る。

のれんに名代やきそばの店とある。

いろいろなメニューがあるが、客の全員が、この焼そばを食べている。迷わず注文、え!具がない。

いや、二層になっていて中間に味付けされた肉と、しゃきしゃきのレタスとキャベツが入っている、味付がとても複雑で、解析出来ない、初めての味だ。肉は甘辛の醤油味のようだ、前もって味付けされている感じがする。

麺には旨味のあるスープがしみ込んでいる。焼そばと、汁そばの中間のような感じ、モグモグせずツルツルともいかない。ソース味もするが、醤油の香りもする。シャキシャキしたレタスとキャベツも美味い!

本当に説明の出来ない味、人それぞれだが、妻と私にとっては久しぶりの初めての味に感動だった。古守宿一作のご主人に聞くと、昔し製麺所のまかない食に考えられた物らしい。


Exhibition Vol299 [古守宿一作]

Day by dayから。

御馳走

里山の風景は晩秋から初冬を迎える。畑の食材が少なくなるので、献立が大変になる時期とご主人が呟く。


今年は寒暖の差が激しいらしい。

例年なら山々は、もう白くなっているとの事。

柿も例年より収穫が少ないそうだ。

軒下は冬支度。

「里山の食卓」

今回、楽しみにしていた、鹿と猪料理。(二日間の献立)

鹿刺。生臭さの欠片もない。猟をして直ぐ、血抜きをするのが大切だそうだ。二日目はたたき、どちらも鹿肉本来の味を楽しめた。

一日目のメインは、鹿肉のバラ肉をご主人特製タレに漬け、炭火で炙り焼き。牛肉や豚肉の脂身よりアッサリしているが、とても肉の旨味が凝縮している。

二日目のメインは、鹿肉のすき焼き。濃いめの特製味噌を溶かしながら煮る。

烏骨鶏の玉子をといて、熱々の肉をからめて食べる。少し甘めのタレと玉子のこく、そして鹿肉の脂身の旨味が口の中いっぱいに広がる。今回最強の味だ!

とどめが、猪の皮付き三枚肉の角煮、肉がしっかりしているので、薄切りになっている。豚の脂身より、層が少し薄いが、しっかりした脂身だ。トロトロした感じではなく、脂身の食感がしっかり残る、脂身と肉が同等に主張して、口の中で溶ける。

私はご主人お進めの「まーらん舟」。妻は自分で持ち込んだ、デッド アーム シラーズ。で決まり!

ご主人手打ちのよもぎ蕎麦、独特の風味が口を洗う。川海老と菊芋の唐揚げ、絶妙だ。川海老は最近激減し珍しくなっていると女将さん、菊芋は最近、健康食ブームで脚光を浴びているそうだ。

初日に食べた、新蕎麦。のどごし、歯応え、最高だった。そして猪汁、畑の野菜と肉の旨味が凝縮している。豚汁よりアッサリしているが、こくが有る。

女将さんが囲炉裏で、今年の豆で朧豆腐を作ってくれた。まだ青みが残り、豆本来の風味が口いっぱいに広がる。 幸せ過ぎる。しばらくは粗食にしないと、妻も私も体重がもどらないだろう。

ご主人が自然芋の見つけ方を教えてくれた。今回も本当にお世話になった、「御馳走」の本当の意味を、改めて教えていただいた。

何気ないふろふき大根が、心にしみる。

来月は餅つきだそうだ。
RICOH R4


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。