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Exhibition Vol427 [古守宿一作]

里山「旬の恵み」八月

茄子


水茄子の糠漬、炊きたての熱々御飯。糠は元々、精米時の副産物、何とも言えず相性が良い。
この夏一番の出合いの味だ。

乳酸発酵で作り出された瑞々しい旨味は、紫色の薄い皮を通してそのスポンジ状の果肉に染み、歯をあてると、ぷつっと心地よく裂け、仄かな酸味と熟れた旨味が口の中に広がる。畑で食べごろになった茄子の皮は本当に薄く気にならない。焼き茄子では皮をむくが、古守宿では旬の茄子は茹で茄子で出て来る、茹でると味が抜けてしまうような気がするが、辛しを少し付けて刺身を食うように醤油でやる、これが思いのほか乙な味なのだ。

勿論だが、油、味噌とも相性が良い。ご主人得意の手打ち蕎麦を茄子南蛮で、自家製味噌と自家製かんずりで味噌炒め、そして王道の味噌汁、旬の茄子の美味さを思い知った。

オクラ

幼い頃の記憶の食卓には「オクラ」は存在しない、目の前に現れたのは何時頃からだろう。二十数年前、タバスコの仕事でケイジャン料理では定番と言われる「ガンボ」を知り、初めてオクラがアフリカの野菜と知った。ネバネバした感触を外国人も食べるのかと驚いたが、それだけを食べるのでは無く、スープにとろみを付け旨味をまとめるために使うようだ。

茹でてきざんだオクラをだし汁と混ぜる、ネバネバは出汁と上手く混ざり、きざんだオクラの表面にまとわり付く、熱々の御飯に乗せ掻き込む。

烏骨鶏


古守宿での楽しみが、玉子かけ御飯なのだが、産みたてでなければ出してくれない、今年の夏の暑さでどうも鳥達の体調が悪いようだ。

一日目は産んでくれたのだが、二日目はニラ玉になった。これはこれでとても美味い!少し若い朝取り立てのニラの香りはやわらかく、玉子の風味を殺さない上品な仕上がりだ。

トマト


古守宿一作、夏の名物、自家製トマトジュース。去年初めて戴いて、その美味さにハマってしまった。しかし夏の前半はトマトに旨味が乗らず、なかなか良いトマトジュースができなかったそうだ、やっと良い感じのが出来ましたと女将さん。

トマトのバジル和え、トマトの辛み大根和え、去年に無かった献立だ。畑の限られた食材を、ご主人がどのように工夫して出してくるか毎回楽しみしている。

トウモロコシ


畑に植える野菜も、いろいろ工夫してるとの事、なるべく多くの種類を育てるようにしているそうだが、まずはご主人が試食してからお客様に出す。この日も山梨県古来の種類のトウモロコシを収穫、皮をむいて見せてくれた。現在のトウモロコシと違い、何だか実の並びの間隔が広いですね。ん〜、試食して出しますねとご主人。かき揚げで出てきた、歯応えが有り、現在のトウモロコシのようなぷちぷち感は無い、甘味も少ないのだが、何となく懐かしいような、何処か郷愁を感じるような、ん〜と思っていると。ご主人曰く、あまり美味しくは無いけどね、揚げると旨味が少し出たよ。厨房でいろいろ試されたようだ。一口、一調理法で決めるのでは無く、いろいろ試す事、物作りには大切ですね。

モロヘイヤ


モロヘイヤも最近ポピュラーになった野菜だ。やはりオクラと同じで、エジプトやアフリカではスープに入れてとろみを出して食するようだ。で、ご主人どうするかと言うと。

モロヘイヤのトロミを使い、山梨名物「おざんざ」うどんを打ってくれた。綺麗な緑色、食感はムチムチとしっかりとした歯応え、さっぱりとした汁で、ささっとやる。この時期、山菜もキノコも無いから献立が大変なんだよとご主人。畑に聞きながら、限られた食材を最大限に生かし工夫する、今回も頭がさがった。九月後半はキノコ料理ですね、天候次第だね。


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きりきりととと

茄子の漬け物の描写。特に「乳酸発酵」云々の行、上手な描写ですねー。

いつのまに。
by きりきりととと (2007-09-30 23:05) 

mine

採りたて野菜、そのまま食べても美味しそう♪
by mine (2007-10-01 11:00) 

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