SSブログ

Exhibition Vol238 [Man's Land]

Landscape Vol 187
「記憶の大地」  Vol 6
諫早1997から。
「大地を創る」
昨日の記事で、干拓を「埋めたて」と記してしまいましたが、訂正します。干拓とは大量の土砂で埋めたてるのではなく、少ない土砂で堤防を作り、堤防内の水を排水し、潟底に残った肥沃な土地をそのまま生かして、農地とする事です。

諫早平野は、十七世紀、元禄時代前から、四世紀以上の時間をかけて、先人達が創りあげた大地だ。昭和の干拓地は、約50年で造り上げられた。

安政六年線。

右が干拓地、左が排水を終わった干潟。現在、工事はほぼ終了し、この風景はなくなっている。

諫早平野における年代別干拓前線。

寛永二年線。

干拓の歴史は、へ泥、塩害との戦いの歴史でもある。満潮と大水が重なれば、堤防から海水や泥がなだれ込む、泥をかき出し、真水を流し、畑を元にもどす。

水路が畑より高く作ってある、畑が海より低い位置に有るためだ。

蓮根畑。

干潟はとても肥沃な泥が沈殿し層をなしている。

昭和20年、国は失業対策と食料増産のため、干拓事業をスタートさせた。

ここは、最初の入植者達が作った村だ。

雲仙を望む。

現在、問題になっている、潮受け堤防は、諫早の農家の悲願だった。塩害との長い戦いから、やっと開放されるからだ。しかし干潟は、山からの肥沃な栄養素と町から出る汚水を浄化し、微生物達の食物連鎖で水を浄化する役割も有った。諫早湾の漁業は、現在壊滅的打撃を受けている。先人達が長い時間をかけて、自然と折り合いを付けながら築いて来た環境が、一瞬で消えてしまた。本当の豊かさとは何か、今、私たちは考える時ではないだろうか。
Linhof Technorama 612 PC Super Angulon 65mm Hasselblad 500CM, 80mm,120mm,RVP Sinar ND Gradation Filter


nice!(15)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 15

コメント 6

mine

私の住む町の広大な田園も、かつては湖でした。
川の一流として排出されるようになった農業用廃水には、高濃度の農薬が含まれます。海の微生物を減少させ、海草類の繁殖を妨げ、サザエやアワビなどの貝類を死滅させました。
諫早のこと、決して他人事ではありません。
by mine (2006-09-30 20:15) 

きりきりととと

蓮根畑の写真、とてもeiichiBOXさんらしくて素敵です。
by きりきりととと (2006-10-01 00:38) 

重いですね。
by (2006-10-01 01:08) 

「思い」がほんとうに全てをうまく調整で来てれば良かったんでしょうが、「目先の利益」により先導されたのかもしれません。どちらが良かったのか・・・この先例から学んで欲しいです。
by (2006-10-01 13:17) 

JOY

目先の利益を追った結果が、干拓地の問題に関わらず、未来に影響を及ぼしているような気がします。勉強しなくてはいけないことがいっぱいです。
by JOY (2006-10-05 10:50) 

anne majakari

hey there!

don't understand a word almost but i enjoyed your photos! great landscapes and surroundings. but the food looks weird. anyway, enjoyed the visit and will come back again for more updates. great to see so much variation in your photos (diffrent cameras).

all the best,
anne
by anne majakari (2007-02-14 20:56) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

Exhibition Vol237Exhibition Vol239 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。