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Exhibition Vol233 [Man's Land]

Landscape Vol183
Man's Land 1998
「記憶の大地」 Vol 1
1997年、築地の代理店から撮影の依頼が来た。食管法が大きく変わり、米の自由化にともなった、米のイメージ撮影との事。昨日、掲載した田園風景はその一部だ。あたりまえのように食べてる米に、色々な物語が有るとは思わなかった。

秋田県八郎潟、大潟村。ここは、男鹿半島の付け根。日本最大の干拓地だ。日本海と隔て、東西12キロ、面積22,024haの来水域の湖を干拓した。琵琶湖が69,400ha、ここは日本第二の湖だった。

現在の八郎湖は昔の1/5、干拓地(東京山手線がスッポリと入る)の周囲を調整池として、存在している。風の強いこの地は雪が積もらない。凍った水面に雪の残像が残る。

堤防の内側、海抜がマイナスの土地だ。常に潮の満ち引きを調整し、海水が入り込まないようにする。干拓地での米の生産は塩害との戦いだったようだ。

干拓地の路は何処も信じられない直線。

厳冬期、全ての水面が凍る。右側が干拓地、左側が昔からの農地。ここは秋田、入植者は他県から移住した人々、難しい問題だ。

減反政策後できた、酪農プラント。国の政策にほんろうされた風景だ。

この地は、人間の考えた大地。

干拓当時、液状化現象で、トラクターが、何台も地の中へ消えたそうだ。塩害もひどく、まともな米が出来るまで、たいへんな苦労が有ったそうだ。

雪解けの日差し。凍った大地が目を覚ます。
Linhof Technorama 612 PC Super Angulon 65mm RVP Sinar ND Gradation Filter


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コメント 11

雪原風景、僕には見慣れているハズなのに新鮮!
普段見慣れている分、持っているイメージが大分違ってるせいかもしれない。
by (2006-09-25 21:09) 

厳しい感じが伝わってくるようです。
by (2006-09-25 21:30) 

kobekko

外国の冬の田舎を散歩している感じです。
by kobekko (2006-09-26 01:26) 

秋田は何故、鴉をつるすのでしょう?1986年、男鹿半島の入り口にあった小さな漁港で数枚撮った記憶があります。
by (2006-09-26 06:18) 

う~この風景はある意味僕の原風景です^^新潟出身なので^^
by (2006-09-26 06:49) 

一年に一度見るか見ないかって風景です。同じ構図で揃えるとテーマというか見える気がしますね。
by (2006-09-26 09:27) 

そうですよね。耳に挟んだくらいで詳しくは知りませんが、八郎潟の歴史は自然との戦いと人間同士翻弄された日々。
by (2006-09-26 09:27) 

kk123456

凄い絵ですね。
寒さが伝わってきます。
by kk123456 (2006-09-26 10:21) 

mine

仕事の依頼としての写真を越えた、情熱を感じました。
by mine (2006-09-26 12:29) 

JOY

余程風が強い土地なのですよね。雪雲を掻き分けて降りてくる陽射し。
厳しい土地での人々の暮らしに想いを馳せました。
by JOY (2006-09-26 21:25) 

Abraxas XIV. 

まさに厳冬期ですね。太陽でさへ冷たく射すやうです。
by Abraxas XIV.  (2006-09-27 19:59) 

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